どんぐり商店

くだらないはなし

鰤を釣って、鯛を好きになる③

私の装備
・ウィンドブレーカー(テニス用)
・防水加工してある帽子(アウトドア用)
・長靴(蛸のパウル君と対決した通勤用)
・青のカッパ上下(オジサマに借りた)

完璧だ!
完璧に釣り人おっさん化している!!

釣堀は少し沖に出たところにある筏なので、
そこまでは船で移動します。

しつこいようだけど、この時点でも雨が降っている。
雨が顔にバシバシ当たるので、みんな下を向いている。
男どもが黒っぽいカッパを着てフードをかぶり、体操座り
下を向いて誰もしゃべらず雨に耐え、船で連れていかれる様子は
強制労働者の運搬といった感じだ・・・。
不気味だー。これ、ほんとに楽しいの?心配になってきた・・

そして5分程で釣堀へ到着。

筏は思ったより広く、トイレもあるし雨風しのげる小屋もある。
筏の中央に四角形の穴があいていて、海面が見えている。
中をのぞくとぐるぐると回遊する魚の姿が確認できた。
やったーっテンション上がってきたぁ↑↑↑
釣るぞ~!憧れの鯛釣っちゃるぞぉぉ。

で、やっと釣りの話。

「魚を飽きさせないように定期的に餌の種類を変えること」
「10分当たりがない時は棚(深さ)を変えること」
とのオジサマの教えに従ってごそごそやってたんだけど
一向に当たりがこない。

ここの釣堀はボウズ保証なし。
"釣れなかったらオマケで1匹"とかいうサービスはない。
どうしよう。高いお金払ってボウズとか・・
と、やる気が落ちかけたその時、

ピクリ

浮きが動いた気がした。
風とか波じゃなく。

ピクピク・・
すぅっ

1センチくらい浮きが沈んだ。
これは間違いない!当たりきたっ!!
鯉釣りで鍛えた(?)私としては、
もう今すぐにでも合わせたい(=竿を上げて針を引っ掛ける)。

オジサマ「wait!」
私「??!!」

私ゃ犬か。
しかし鯉釣りと違って「食わせる」のが大事らしい。
そうこうしてる間にまた浮きは元の位置に。
あぁ・・逃げられちゃうんじゃないの?ソワソワ・・

また浮きが沈んだ!今度は3センチくらい・・・!

オジサマ「wait!」
私「ぐぐぐ・・(あ、合わせたいっ)」

元の位置に戻る浮き。
気が気じゃない私。

そして今度は5センチ沈んだ!しかしまたしても
オジサマ「wait!」
私「ぎぃー(合わせたいー)」

・・というのを更に3回くらい繰り返したのち
オジサマ「よし!」
「ワン♪」とは言ってないが、
犬の気持ちが少し分かった気がする。
世の中の犬諸君には同情いたすよ。ご苦労なこった。

犬はまぁいいや。魚ね。
針がかかったのよ。奇跡的に。

自慢じゃないが
50センチ超の鯉と30分格闘したこともある私。
引き上げるまでの駆け引きは自信あるよ!
と、思っていたのですが・・・
海の魚、力もさることながらすばしっこい!
かなり苦戦しました。

しかし敵も観念したようで、比較的楽にリールを巻けるようになり
見えたその姿は・・・

真鯛っ!!!

憧れの鯛だわ!すごい!やった!わーいわーいわーい!
っとテンション上がりまくりで
くるくるリール巻いていたら・・
ふっと急に異常に軽くなり、、、あれ???

逃ーげーらーれーたー。

がっくり。
タモ持って待ちかまえてたオジサマもがっくり。

しかし餌と棚が合ってきたってことよ!
と、意気込んだのですが・・・
同じパターンで逃げられること、こののち2回。
私、鯛とは相性悪いわ。

という訳で違う魚を狙うことになりました。
ここまでの釣果、0匹。

 

 


・・・ん?何か聞こえる?
♪海岸で若い二人が恋をする物語~♪

・・・徐々に近づいてくる。
♪目を閉じて胸を開いてハダカで踊るジルバ~♪

・・・船?!爆音でサザンを流しながら船が近づいてくる!
♪恋は南の島へとんだ~まばゆいばかりサンゴショ~♪

 

(つづく)