忍者ハットリ君
忍者がいる。
私の右隣の席に。
私はごく普通の会社員で、
ごくごく普通の事務をしている。
会社はごく普通のメーカーで、
ごくごく普通の事務系の部署のはずだ。
会社に忍者?
でも苗字から言って、彼が忍者であるのは間違いない。
ニンニン。
彼は日々忍術を鍛え磨いている。
まずは、重要資料をあっさり抹殺した。
常人では考えもつかない残虐さである。
本当にあり得ない。
そして、気配を消すことができる。
気づくと隣10センチに居たりする。
本当に油断ならない。
私は心の中で、尊敬の念をこめて
彼のことをこう呼んでいる。
「モウチョウ」
カンゾウのようにしっかり者でもなく、
シンゾウのようにパワフルでもない。
あってもなくてもいい、モウチョウ。
彼はきっと伊賀か甲賀の出身だと思って聞いてみたら
普通に名古屋出身でした。
ニンニン。