影武者オンステージ

ここ数週間、食堂の前に等身大パネルが置いてある。
某月某日の昼休み、某Ｆ１選手がやってくるらしい。

Ｆ１にさほど興味もないし、
西洋人の顔はみんな一緒に見えがちだけど、
いやでも食堂には毎日通うために彼のことを覚えてしまった。

そして当日。

ミーハーなわたしは、とりあえず見に行ってみた。
トークショー形式で、
ステージの上には、本人、司会、通訳、スタッフ？
と４人が見えた。

えー？どれがＦ１選手？
あっ！いたいた！！
わ～♪パネルで見たそのまんま～♪

と、ひとりこっそり感激していたら、

私が本人だと思って見てたのは
「食堂の前に置いてあったパネル」
でした。

んで、
私がスタッフだと思ってた小さい人が
「本人」
でした。

紛らわしいものをステージに上げないでください。

軽くショックを受けてる私にはお構いなくショーは進み、終盤、
司会者が
「これから午後の仕事に取り掛かる社員の皆さんへ
『お昼からもお仕事頑張ってください！』
　って言ってもらえませんか？」
とＦ１選手にお願いしていた。

そんな長い日本語が覚えられなかったのか、
あるいは通訳の仕方が悪かったのか、
もしかして本人の勘違いか

「ガンバリマッス！」
と某Ｆ１選手は高らかに宣言し、キラキラの笑顔を振りまいていた。

透き通るように青い秋の空が眩しかったです。